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末期がん(肝臓がん)闘病記 215
『いつもの場所』に別れを告げ我が家へ
~この闘病記の内容は2005年(平成17年)11月頃の出来事です。~
私は先生から退院の許可が出たことを妻に連絡した。
早速、身の周りの整理をして病院の駐車場に止めておいた
車の中に荷物を押し込んだ。
車に荷物を入れ、病室に戻る途中、私が毎日コーヒーを買っていた自販機で
私のように患者さん達が何かを買っていた。
喫煙所では患者さん同士が話しをしながらタバコを吸っていた。
私にとってはいつもの光景だった。
ついさっきまで私もあの場所で過ごしていたんだなと思った。
私にとってあの場所は【特別な思いの場所】だった。
今ではこの病院も2007年9月1日から
病院の敷地内が全面禁煙となってしまった。
なのであの時の光景は私の頭の中だけのものになっている。
私は病院を出て家に向かった。
見慣れた景色が何となく身近に感じられた。
私は今まで自分を苦しめてきた全てのものから解放され
身軽で自由になれた事を車の中で実感していた。
また私は本当に がん に勝ったのだと改めて思っていた。
家に戻るとおふくろが庭先にいた。
私が車から降りると元の身体に戻った私の元気な姿を見て
「あ~良かった。良かったねぇ~。」と話しかけてきた。
私は心の中でおふくろひとりを残して死ぬ訳には行かないと思っていた。
何としても生きなければと思い続けていた。
私はおふくろの嬉しそうな顔を見てほっとしていた。
そして家族の一員である愛犬の『ハナ子』も
私の元気そうな姿を見て尾を振りながらすり寄ってきた。
私が闘病生活を送っていた時とはジャレ方が違っていた。
話しは出来ないものの、何かを感じていたのだろう。
私はハナ子に
「また前のように散歩に行こうな。」と頭をなでながら話しをした。
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