体調の異変を感じ検査を受ける
1999年(平成11年)3月のある日の事でした。
仕事を始める前の朝一番、兄とコーヒーを飲むのが日課になっていました。
その日もいつものように、兄とコーヒーを飲んでいた時でした。
兄が私に言いました。
『ここ1週間くらい食事が摂れないんだ。何とかバナナは食べられていたんだけれど、そのバナナも食べられなくなって来たんだ。今日はこれから病院に行って検査を受けてくるから。』
食べられないという兄の体調異変に不安は感じながらも、兄は以前から十二指腸潰瘍があり、近くの病院で薬も処方してもらい治療していたので私は『きっと十二指腸潰瘍のせいだろう。』とくらいにしか考えていませんでした。
『もしガンだったらどうしよう。まあ、それはそれでしょうがないか。』
兄はそんな事をつぶやくながらコーヒーを飲み終わると病院へ行きました。
翌日から入院
私はその日もいつものように仕事をしていました。
午後になった頃、兄が病院から戻って来ました。
『明日入院をすることになったから。それから検査の結果を家族の誰かに聞きに来るように言われたので、夕方病院へ行って聞いてきてくれ。』
そう言って兄は入院の準備をしに家に帰りました。
『えっ?!いきなり入院?そんなに悪いのか?』
私は戸惑いを感じながらも、その日の仕事を終らせるために仕事を続けていました。
夕方になった頃、義理の姉が私が仕事をしている工場に来ました。
話を聞くと、私にも検査結果を一緒に聞きに行って欲しいとの事だったので、私はそのまま姉と一緒に病院へ向かいました。