兄のかかりつけの先生に相談、転院先の病院を決める

次の日、私は兄が以前から十二指腸潰瘍の治療を受けていたかかりつけの病院の先生に転院の相談をしに行きました。

 

この日、朝早かったせいか、幸いにも病院には患者さんはいませんでした。

 

私は受付けの方に、『先生にお会いしたい。』と伝え、待っていました。

 

しばらくすると先生が来てくれました。

 

私は先生に挨拶をしてから、兄の病状と担当医への不信感などについて話しをしました。
『先生、どうしても兄を助けたいので先生が知っている病院を紹介してもらえませんか?』

 

『分かりました。出来る限り協力します。私の知り合いに話しをしてみましょう。』

 

先生の気持ちがとても嬉しく思いました。

 

 

病院が見つかる

それから数日後、その病院から電話がありました。

 

『先生がお話しがあるとの事で、病院へ来られますか?』

 

『分かりました。今から行きます。』

 

私は病院が見つかったのだと思い、そのまま急いで病院へ向かいました。

 

 

病院へ到着し、しばらくすると先生が来てくれました。

 

『お兄さんを受け入れてくれる病院の件ですが、見つかりました。その病院は県庁の近くにあり、病院の院長は私の知り合いなので、話しはしてありますので、お兄さんをいつでも受け入れられます。』

 

『先生、本当にありがとうございます。』

 

先生にお礼と感謝の気持ちを伝え、私は家に向かいました。

 

 

家に向かう途中、車の中でふと思いました。

 

先生から紹介を受けた病院は、車で何度も通る事がある場所なのですが、私は今までその病院に気付いた事がありませんでした。

 

とにかく確認のため一度病院を見てみようと思い、家には直接帰らず、兄を受け入れてくれる予定の病院を見に向かいました。

 

 

転院先の病院を決める

病院の近くまで行ってみると、確かに病院らしき建物がありました。

 

しかし、私が車で何度も通っていた方向からだと病院は裏になってりまうので今まで気が付かなかったようでした。

 

私は病院の駐車場に車を停め、病院を眺めていました。

 

私はこの日まで病院に入院した経験は無く、そうやって目の前で大きな病院を眺めるのは初めてのことでした。

 

『病院内はどうなっているのかな?』、私は少し躊躇しながら病院内へ入ってみました。

 

転院先予定の病院を下見に行く:実兄の胃がん末期闘病記

 

病院内はとても広く、多くの方があっちへ行ったりこっちへ行ったりと行き交っていました。

 

私は待合室の椅子に座り、院内を眺めていました。

 

 

『ここは今兄が入院している病院より綺麗で立派。この病院なら何か良い治療法があるかも知れない。そうすれば兄は助かる!』

 

私は院内を眺めながら思い、希望が湧いて来ました。

 

 

私は病院の外に出て、義姉に電話をしました。

 

この病院に来た経緯を話し、兄をこの病院に転院しようと相談しました。

 

義姉も私の話しに納得してくれました。

 

 

その夜、おふくろの家に行き、私と妻、義姉の4人で兄のこれからについて話し合いをしました。

 

その中で、『転院する方法は?』などの問題がありましたが、今はとにかく一日でも早く兄を受け入れてくれる病院へ移すことを考え、まず最初に私が兄に話しをして病院を移る事を納得してもらう事に決めました。